T-BAGS減震工法
T_bags
地震時の建物への揺れを軽減する、安心安全でローコストな工法
T-BAGS減震工法は、2段に積み上げた特殊な土のうが地震時に滑ることにより、地震の揺れを建物に伝わりにくくする安心安全な工法です。万が一に備え、地震補償を適用できるためBCP(事業継続計画)が立てやすくなります。
目次
T-BAGS減震工法とは

取得特許
減震基礎構造体及びそれを用いた減震工法
特許番号 第5196059号
取得年月日 2013年2月15日
審査証明
・T-BAGS(沈下抑制基礎工法に用いる補強土袋)
BL審査証明-015
・補強土袋(T-BAGS積層体)の減震効果
~住宅用T-BAGS~
BL審査証明-029

T-BAGSの“すべり”による減震システム

T-BAGSは、ポリプロピレン製の袋に定粒度の砂を入れたものです。これを2段に積み重ね、ベタ基礎などの下に全面に敷き詰めます。
地震発生時は、上段と下段の袋が滑り合うことで揺れが吸収され、建物に伝わる振動を小さくする仕組みです。
T-BAGS減震工法の安心安全の考え方
日本の建物は耐震強度が高く、地震で大きく壊れることはまれです。しかし、建物が大きく揺れると、次のような課題が残ります。
- 屋内にいる人が強い不安を感じる
- 大きな地震では避難時に揺れで行動がとりにくくなる
つまり、「倒壊しない」だけでは十分な安心につながりません。
建物自体を揺らさない

タケウチ建設の T-BAGS減震工法 は、建物に伝わる地震の振動を基礎部分で吸収し、そもそも建物を大きく揺らさないことを目的としています。これにより、地震時の体感揺れが大きく軽減されます。
実験値による比較
- 一般的な建物(対策なし):300~800 gal
- T-BAGS採用時(基礎下・土間下):200~250 gal
gal(ガル)は加速度の単位で、1 gal = 1 cm/s2。数値が大きいほど揺れを強く感じることになります。
このように、T-BAGS減震工法は「倒壊しない」安心に加えて、「揺れを小さくする」ことで人の行動と心の安全も守ります。
震動解析による減震効果の実証
タケウチ建設では、T-BAGS減震工法の減震効果を検証するため、過去に発生した地震の観測波データを使用した震動解析を行います。
解析事例
下のアニメーションは、阪神・淡路大震災(1995年)において、神戸市中央区中山手で観測された地震波(マグニチュード(M)= 7.3)を用い、T-BAGS減震工法を採用した場合と、対策を行わなかった場合の、建物の揺れの大きさを計算し比較したものです。
※こちらのアニメーションは、実際に弊社が手掛けた建物のモデルです。入力地震動は、この建物の地盤のボーリングデータと、阪神淡路大震災の観測波に基づき計算した加速度を用いています。(スケール20倍)
建物屋上での振動の強さ(加速度)を比較したグラフ

T-BAGSを使った場合は赤線、使わない場合は黒線で示されています。
建物の揺れの強さ(加速度)の最大値を比較すると、約1/3に抑えられることが確認されました。
震動の抑制効果
T-BAGS土のう袋どうしの滑りのアニメーション(スケール1倍)

地震の揺れが小さいとき:
免震効果:土のうがせん断変形することで、建物に震動を伝えない。

地震の揺れが大きいとき:
免震効果:土のうが左右に滑ることで、建物に伝わる震動を軽減する。
制震効果:土のうがせん断変形することで、建物の振動を素早く止める。

T-BAGSの地震補償
T-BAGS工法にて建築した建物は、?三井住友海上の企業火災保険 【地震危険補償特約】が適用できます。?

T-BAGS専用引受方式 地震特約保険料割引(2025年12月10日現在)?
所在地の都道府県に応じて、?地震特約保険料を25%、15%、10%割引可能。?
契約条件の主な留意事項?
- 建物構造はRC造(5階建以下)、鉄骨造(4階建以下)、木造(2階建以下)?
- 建物価額10億円以下、支払限度額と最低免責金額に固有の条件あり。?
- 対象建物内の設備・什器等、商品・製品等を対象に含めることが可能。
- 取扱可能な代理店は指定代理店のみ。詳細は弊社(タケウチ建設)の窓口担当者までご照会ください。
特徴とメリット
土のうによるシンプルな減震工法

T-BAGS減震工法は、土のうによるシンプルな構造により、一般的な免震装置と比較して以下のようなメリットがあります。
2. ローコスト

ゴム製免震装置の1/3の費用
3. メンテナンスフリー(耐久性)

・耐久性が高い(250年)
・4800kN/㎡の荷重に耐える。
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