TNF2.0工法の建設から解体までのサイクル
Tnf-demolition
循環型基礎工法で環境に優しい
TNF2.0工法は施工時のみならず、建物撤去時・再建時にも環境に配慮した工法です。
目次
施工時の環境配慮
建設残土の削減
従来の杭工法では、掘削時に発生する改良余剰土の多くが泥状の汚泥となり、建設残土として処理が必要です。
一方、TNF工法では、発生する土が良質な改良土となるため、場内での再利用が可能です。


柱状改良・杭工法の場合:汚泥のように粘性がある
この改良土は、土間下の敷設材や外構工事用の土として再利用でき、残土量を杭工法の半分以下に抑えることができます。
これにより、処分費の削減と環境負荷の軽減を同時に実現します。
工期短縮により、CO?排出量削減
TNF2.0工法は、杭工法のような大規模工事は必要なく、汎用重機を使用して施工できるため、重機調達期間を短縮できます。
また、改良地盤へ直接コンクリートを打設でき、型枠作業も少なく済むことから、短工期施工が可能です。
結果として、工期短縮によるCO?排出量の削減が期待できます。
汎用機械で施工
専用機械を必要としない為、短工期&ローコストを実現

型枠不要
改良地盤に直接コンクリートを打設でき、型枠作業量を低減

仮設費用不要
改良工事中に施工足場を作る為、全面的な敷鉄板等は不要

TNF2.0工法の解体
改良体の解体が容易
従来の柱状改良や杭工法では、建物撤去時に杭の引き抜き作業など大掛かりな工事が必要で、撤去費用が施工費の3倍程度に達することもあります。
一方、TNF工法は、GLから2?3メートル程度の浅い層までの作業で済むため、汎用機械による解体が可能です。これにより、撤去・解体費用を工事費用の約1/2に抑えることができます。


発生土の再利用による産廃削減
解体時に生じる地盤改良体は、細かく破砕することで建設発生土として再利用できます。
国土交通省の発生土利用基準によれば、TNF地盤改良体から発生する土は第3種建設発生土以上に相当し、手を加えずに埋め戻し材として使用可能と評価されています。
そのため、産業廃棄物の発生を抑制し、環境負荷を低減しつつ高いコストパフォーマンスを実現する解体が可能です。

再建時のメリット
TNF工法では、解体時に発生した改良土を場内で埋め戻し材として再利用できるため、解体後の地盤が良好な状態で維持されます。
その結果、再建時に地盤改良を行う際に必要となる固化材の使用量を抑えることができます。
このように、TNF工法は、施工から解体・再建に至るまでのライフサイクル全体で環境性能と経済性を両立する地盤改良技術です。

改良体の解体手順
解体工事 事例
用途:スーパーマーケット
完工:2011年5月
解体:2019年10月
土間・地盤改良体の破砕
バックホウを用いて改良体を割り、塊を分割していきます。

大きい塊の破砕
ニブラ(軽量型破砕機)を使用し、大きな塊をさらに砕いていきます。

基準径以下まで破砕
必要に応じて、ガラパゴス(自走式ジョークラッシャー)を用い、基準径以下まで細かく破砕します。

解体発生土の埋め戻し
上記手順で細かくした土は、場内で埋め戻し材として再利用します。
これにより、地盤状態が良好に保たれ、再建時の地盤改良コストを低減できます。
さらに、客土量削減と産業廃棄物量の低減により、全体的なコストダウンを実現します。
